自炊代行禁止は誰のため?

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「自炊」代行禁止の判決が出た。

 

禁止にした趣旨は、自炊はPDF化の作業を業者がやっている以上、電子化した後の本をどうしているか確認ができないので著作権を侵害する恐れがあるというものみたい。
確かに業者がPDF化した後の本をどうしてるか確認はできないけど、業者によっては「溶解処分します」って明記しているところもある。以前、雑誌15冊を自炊代行してもらった業者のサイトにはそう書いてあった。
二次的利用ってことをぎりぎり言い始めたら、図書館の本はどうなるのかとかマン喫のマンガやマンガレンタルはどうなるのかとか、そういうことも議論の対象となるでしょう。

 

図書館は対価を得ていないのでOKという理論なら、対価を得て本を二次的に利用するサービスはNGってことになるんじゃない?
そういう二次的に利用する事業者が一括して、出版社や著者と特別な契約を結んでいるんだろうか。
単に「電子書籍」というこれまで経験したことのない商品に対しての恐れが先にあるような気がする。
知的財産を保護することも大切なんだけど、裁判所は利用者の利便性を考えるべきだと思う。
多分、裁判官は紙の本しか読まないんだろうな。きっといまだにガラケーを使っていて、タブレットなんかも使ったことがないに違いない。パソコンも、メールとインターネットがかろうじてできるレベルとか。
そういう、時代から取り残されている人に新しい技術の判断をさせちゃいけないと思う。勝手な予想だけど^^;
そもそも「自炊」が注目されたのは、本好きな人が本を置くスペースをどうにかしたいとか、持ち運びを便利にしたくてのこと。
何ページもある本を、自炊をするには専用のスキャナや裁断機が必要。
そんなもの持っている人なんてよほどこだわりのある人、家にスペースのある人、代行してもらうにはもったいないほど自炊したい本が大量にある人でしょう。
自炊代行が禁止されたら、普段電子媒体で本を読んでいる人はますます紙の本を買わなくなるだろうな。
だって、じゃまだから。
実用書ならまだしも、小説のような娯楽の類の本は二回以上読むことは少ないし。コレクションが趣味の人以外は、紙の本を自宅に積んどくメリットはない。
原告の東野圭吾や浅田次郎は、規制をかけて自分たちの権益を守るよりどうしたら電子書籍の市場で生き残っていくかということや、電子書籍や自炊のルールづくりを考えるべき側の人間なんじゃないだろうか。
 

少し前に自炊代行の差し止めを求めているというニュースを聞いて以来、この二作家の印象が悪くなったよ。

電子化の流れは止められない。自炊代行を禁止したって、紙の本は売れないよ。きっと。

 

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